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事故・トラブルが少ない企業とは?

  • 執筆者の写真: Yアカデミー
    Yアカデミー
  • 4 時間前
  • 読了時間: 5分
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経験則で恐縮ですが、事故やトラブルが少ない企業には以下の共通点があります。

1.トップと現場従業員の距離が近い

2.率先垂範している

3.チーム人数が少ない

4.古いしがらみがない

5.高度なことをしていない


組織を有効に機能させるためには『「共通の目的」「貢献意欲」「コミニュケーション」が重要』とお伝えしましたが、まさにこれらが実践できている企業になります。



まずは、「トップとの距離の近さ」ですが、強い嫌悪感が無い相手に対しては、接触回数が増えると親近感が沸きます(ザイオンス効果)。


そして、トップや管理者が一生懸命活動し、現場従業員の気持ちを慮ると「この人は、自分のことをわかってくれている」と感じてもらえるようになります(共感的理解)。



従業員の会社やトップに対する想いが強くなると、頑張ろうとする気持ち、一体感が高まってきます。

現場を任されている管理者は、トップと現場を繋ぐ連結ピンの役割を果たしますので、会社やトップの考え方を現場従業員にしっかり伝えることが重要になってきます。従って、その想いを伝えることができる人員構成にする必要があります。少人数になればなるほど、意思疎通がスムーズで信頼関係も築きやすくなります(統制の範囲)。


職制上は、管理者がチームを率いていますが、現場によっては”古参”と言われる重鎮、職制とは異なる裏ボスがチームを率いることもあります。そのような”しがらみ”があると、チーム運営は、会社やトップが考えるものとは異なる方向にいってしまいます。従って、管理者がきちんとチームを率いることができる”しがらみ”の無いチーム、つまり現場従業員が平等な関係で、意見を出しやすくすることが重要になります(心理的安全)。



以上をまとめると、トップとの距離が近くなることで、会社の考え方を現場従業員が体感でき、「共通の目的」が醸成されるようになります。また、共感的理解を通じて頑張っていこうとする「貢献意欲」が高まります。実際に勤務する職場においては、意思疎通がスムーズにできる人数に制限し、少人数であるがゆえにお互いの信頼関係が築きやすくなり、心理的安全が確保されてくると「コミニュケーション」が良くなります。



また、これは偏見かもしれませんが、規模がおおきく、高度な機械設備を導入している企業ほど、難しい作業手順書を作成することでルールを複雑化しているケースがあります(認知的誇張)。

ルールは複雑になるほど混乱が起こりやすく、権威を誇示するだけのものに成り下がり、現場作業者にとって理解し難いものになります。従って、基本的な単純ルールの方が覚えやすく、また守りやすく、反って作業を安定させます(認知的負荷)。


上記が実践できると、以下のような現象が起こります。

1.ルール違反が減る
注意する/されるケースが無くなりますので、職場関係がギスギスしなくなります。

2.チームのために自分も頑張る

チームが一枚岩になり、迷惑をかけまいとお互いの注意力が高くなります。

3.対応が早くなる
カメラパトロールや外部指摘に対する対応が早くなります。

4.当たり前のことができている
凡事徹底。基本動作が浸透しています。



「共通の目的」「貢献意欲」「コミニュケーション」が実践できている企業は、職場巡視していてもわかります。


例えば、こんなケースがありました。

担当者の方と巡視していると、帰社した社長が、忙しいにも関わらず巡視に合流してくれました。私が「これだと、〇〇の危険性がありませんか?」と質問し、担当者の方が、「確かに危険かもしれませんが、次工程で〇〇するので、重大リスクにはつながりません」と言ったやりとりをしていたのですが、巡視が進むにつれ、社長自ら「これだと△△が起こるんじゃないか?」と一緒に、リスクを想定し、質問を始めました。そして「確かにそうかもしれません」と担当者の方が答えると、「じゃあ、これ宿題。解決策を考えよう」と現場に指示しました。保管棚を開け、必要性が低い備品を見つけた際は「これ撤去。すぐに出して」と、その場で改善させました。このような書き方をすると「トップダウンの会社」と誤解されるかもしれませんが、担当者の方は質問の都度、理由を説明し、「あっ、そうなの」と社長が納得できたことに関しては、何も言いませんでした・・・忙しいと後回しにしがちな巡視をこちらの訪問機会を利用し、率先して行う。社長と現場がお互いに意見を出し合い、納得できた結論に対して、すぐに動く。理想的な姿だと感じました。ちなみにこの企業、事故やトラブルは少ないです。



昨今の機械設備は人がミスしない、あるいはミスしてもトラブルを防止する機能が装備されています。その性能に負けじと複雑なルール、教科書のような手順書を作成することでソフト面の充実が図られるケースを目にします・・・完璧です。


完璧だからこそ、正常に機能している限りは、トラブルは起こらないかもしれません。結果、人はルールに縛られ機械の一部のような働き方になる。機械の一部なので、単価が高いベテラン社員よりも安い労働力の方が良い・・・最終的には人は要らなくなる・・・。

世知辛い世の中ですが、企業は人。社会を形成し、生活するのも人。人がいるからこそ、その企業に対する愛着も生まれてく。

力で押さえつけるのではなく、モチベーションが上がるような取り組みも必要になります。そのためには、ここまで説明してきた取り組みのほか、働きやすい職場への改善、例えば、生産量や労働時間、休みやすい体制など、そういった取り組みにも着手してほしい、そう思います。

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