Eー20.人材育成すること
- shibatas1357abc
- 4月8日
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更新日:4月9日

『人材育成』について解説します
経営層と現場を結ぶ管理者は組織において極めて重要な役割を担っています。ここでは上長の意識づけを図るための管理者に対する育成方法の参考例についてご紹介します。
1.管理者
1.責任と権限を与える
組織設計には「責任・権限一致の原則」「命令一元化の原則」「統制範囲の原則」「専門家の原則」「例外の原則」の5つの原則があると言われています。中小企業は、経営者と従業員の距離が近く、また人数が少ないため、役割、責任と権限が曖昧になりやすく、たとえリーダーであっても”誰かがやってくれる” ”何とかなる”と甘えがちになります。従って、役割のほか、責任と権限を明確にすることによって”上長のリーダーとしての自覚”を促すことができるようになります。
【注意事項】
役割を明確にし、責任と権限を与える以外に、管下のメンバーを統制できる人数に制限します。仮に制限人数以上になるときは、サポート役を配置すると良いです。管理者の統制範囲は一般的に10名以下が推奨されますが、平気で40名のメンバーを抱えさせられることもあります。
インテリ上司に限って「私は管理できていた」と豪語しますが、ほんとうに不満や不都合なく管下のメンバーを管理できていたかどうかはわかりません。メンバーたちはリーダーを頼らず、仲間同士でルールを決め、それをしっかり守っていたから問題が顕在化しなかっただけかもしれません。部下の信頼を得るためには、メンバーの話を親身に聞き、現場を慮る必要があります。リーダーに受け入れてもらっていると管下のメンバーが感じれば、自然とリーダーや会社に対する愛着も沸いてきます。
また指揮命令は、必ず直属の上長から与えられるものであることを再認識してください。
これも良くあるケースですが「掲示板を見るように」「○○から聞いた?」など、他人事のように平気でメンバーに話すリーダーもいますが、それはいただけません。管下のメンバーが同じことをしたとき、リーダーとしてOKしますか?例えば、体調不良で休むとき、リーダーではなく、別の人に伝言しても良いですか?直接話をしたくないから、「休みます」と記載したメモをリーダーの机に置いて、後から「机の上にメモを置いておいたので見ておいてください」と言われて納得しますか?「相手にはするのは良いけど、自分がされるのは嫌だ」ということがないようにしてください。
2.研修を受けさせる
社外で研修を受けることによって、社内では気が付かなかった世間の常識を知ることができるようになります。また研修を受講させてもらったリーダーは”会社に期待されている”という想いも芽生えますので、会社の期待を裏切らないよう受講意識も高まります。
中小企業は人数が少なく、かつ明確な組織や業務が専門化していないために、自分より職制が高い者の指示を受ければ、”あれもこれも”と対応してしまうケースがあります。しかもその行動が上役のご機嫌伺いになるため、”頑張っている風” ”仕事している風”な印象を上役に与え、結果として評価が上がることも多々あります。
つまり、本来行うべきリーダーとしてのミッションよりも、上役の印象を良くすることが目的となってしまい、それが管理者の役割であると誤認しているリーダーがいないとも限りません。そのような誤認を是正すべく、社外の別の企業で働くリーダーを知ることで、本当の意味の管理者としての新たな気づきを得ることができるようになります。
【注意事項】
継続性を持たせる方法として、リーダー研修の受講を昇格条件にすること、新規管理者教育に組み込むことをお薦めします。
経営層が管理者に”リーダー論”の興味を持たせることも大切です。経営層が推奨することで管理者自ら書籍や動画を閲覧するよう仕向けることができるようになります。
時に人事評価が”頑張った風”や”仕事している風”で認められることがあります。その理由は、最終的に上役が人事評価を決裁しますので、その上役の印象に残っている従業員が評価されるからです。そのような評価で管理者になった者は同じような基準で部下を評価することになるでしょう。しかしながら、このような評価をしていては、人のモチベーションは高まりません。モチベーションを高めるためには、透明性、公平性がある適正な人事評価を実施することです。そのためにも管理者に評価者訓練を受講させることをお薦めします。
3.社員・パート従業員の手本になる
管理者がどんなきれいごとを述べても、それを体現していなければ意味はありません。「経費節減」と言いながらも経費を使う、「人件費削減」と言いながらも自分たちの給料は下げない、「ルールを守れ」と言いながらもルールを守らない・・・。1人の管理者は管下の数名~数十人に見られています。「リーダーは人格者(人格者)であれ」と言う言葉がある通り、指示命令する以上は、自らが率先し管下に手本を示すことが必要になります。
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