Aー6.VRIO分析(具体例)
- Yアカデミー
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更新日:24 時間前

『VRIO分析』の具体例について解説します
経営者、学生、主婦の3ケースをつくってみました。①自社(自分)の成り立ち、②価値、③希少性、④模倣困難性 について解説します

(問題解決のフロー図)
「生ハム」を加工販売をしている経営者A
①自社(自分)の成り立ち
【歴史】
経営者Aは精肉店(個人事業主)の長男。小学生の頃から店を手伝ってきたため、肉については熟知している。高校を卒業すると地元の食肉加工会社に就職し製造と開発に携わった。入社10年が過ぎた頃、大量生産で製品を作ることに疑問を感じるようになった。実家の精肉店で販売する製品は添加物を使わず、肉の旨味を引き出せるよう肉質を重視していた。ゆえにその日に使用する肉質を見極め、配合を微調整していたが、現在の会社ではどのような肉であっても決められた添加物を投入し製造していた。会社では食肉加工の技能検定を取得。また品質管理に関する知識も得ており、会社で学んだ知識を実家の精肉店で活かそうと考え退職した。実家の精肉店に戻るとまずは新商品開発にチャレンジした。配合を考える作業が深夜にまで及ぶ日々が何か月間も続き、ようやく満足できる配合にたどり着いた。新商品の評判は上々。口コミで知った新規のお客さんも来店するようになった。しかしながら第2弾の新商品開発がうまくいかず悩む日が続いた。そんな時、イタリアの料理学校で短期留学ができることを知った。これまで海外へ行ったことはなかったが、新しいことにチャレンジしたいとの想いが強く、半年間の留学を決意した。イタリアでは食肉加工品のほか、チーズやピザ、パスタなどの料理を学んだ。なかでも熟成生ハムに感動を覚え、次の新商品はこれにしようと決め、帰国後、直ちに製造を開始した。経営者Aの想いはお客さんに伝わり、熟成生ハムはたちまち話題となり、テレビや雑誌で紹介されるようになった。遠方からの問い合わせも入るようになり、新たにネット通販を開始した。
【雰囲気】
妥協を許さない性格。儲けより、ほんとうにおいしいものを提供したいとの想いが強い。実際に大手企業が敬遠する熟成生ハムの製造を始めたのもそのことがきっかけになっている。職人気質である一方、義理人情に厚くお客さんへの商品説明は丁寧でわかりやすく、その良さを熱く語ることでお客さんの信頼も得ている。
【資産】
実家の店舗は父親所有。店舗の支払いはすでに終了しているが、築20年が経過していたこともありリニューアルが必要と判断。精肉店でありながらもカフェのような外観に改修した。またリニューアルを機に店舗のキャラクターも新たにつくった。それらに投じた借入金はあるものの、黒字経営ができており10年間で返済できる見込み。家族経営。これまでは近所の知り合いが主なお客さんであったが、通販も幸いし新規顧客は増えつつあり、商圏は拡大している。現在、イタリアンレストランや百貨店との取引も行っている。
②価値
食肉加工品の知識 イタリアへの料理留学経験 新しいことへのチャレンジ精神 ほんとうにおいしいものを追求する姿勢 口コミで評判になった熟成生ハムの製造技術 お客さんへの気配り 黒字経営(家族経営) 食肉加工に関する資格
③希少性
イタリアへの料理留学経験
熟成生ハム
④模倣困難性
家族経営ゆえに追及できるこだわりの生ハム 留学経験を活かした食肉加工品以外のイタリアン商品の開発
「卒業後の進路」を考えている大学生B
①自社(自分)の成り立ち
【歴史】
大学生Bは会社員の次男。父親はいつも忙しく、小学生の頃に遊んだ記憶はあまりない。将来は父親のような会社員になるものだと漠然に思い大学へ進学した。大学に入り地域活性に関するボランティアサークルに入会。子供への学外授業や高齢者の困りごとを手伝うことにやりがいを感じた。ボランティア活動を行い2年が過ぎたころ、自治体の推薦を受け市から表彰された。大学3年生になり本格的に進路を考えたとき、父親のような会社員になりたくないと思うようになっていた。
【雰囲気】
目立ちたい性格ではない。物欲はなく生活できればよいと考えている。人が喜んでくれることがうれしく、自分のことは途中で諦めることがあっても、人のためであれば最後までやり抜いている。
【資産】
父親のおかげで学費や生活費に不自由はしていない。資格は何も持っていない。就職に関し両親は自分がやりたいことをやればよいと言ってくれている。
②価値
時間に余裕がある大学生 金銭に余裕がある生活 非所有欲 強いボランティア精神 最後まで諦めない姿勢 市からの表彰 進路に対する両親の理解
③希少性
市から表彰されたことがある ボランティア精神が強い 金銭的に余裕のある大学生
④模倣困難性
金銭的に余裕があり自分がやりたいことができる環境 市から表彰されるほど子供や高齢者のためにサポートする姿勢
「貯金」を考えている主婦C
①自社(自分)の成り立ち
【歴史】
主婦Cは会社員の一人っ子。母親は専業主婦。子供の頃から母親の手伝いをしており家事全般は好きだった。高校卒業後は保育士の資格を取得するために県外の短大に進学。在学中は友人の薦めもあり、得意の家事を活かした家事教室やインターネットを通じて依頼を受けた家事コンサルタント的なアルバイトを行った経験もある。短大卒業後は地元に戻り保育園に就職した。就職して3年が経過した頃、高校時代の友人が紹介してくれた2歳年上の会社員と結婚した。お互いに年収が少なく、生活に不安があったため、結婚後も仕事を続けていたが、子供ができたことをきっかけに退職。子供を育てることは大変だったが、母親に教えてもらった家事テクで忙しさを乗り切り、子供を育ててきた。子供が小学生になった頃、再び仕事をしたいと考えるようになった。しかしながら、どこかに就職するというよりも、自分のペースで仕事をしたいという想いが強かったため、心機一転、これまで培ってきた家事テクと新たに経験した育児を組み込んだサロンを始めようと考えた。夫と子供に相談したところ、二人とも賛成してくれた。現在はサロン開業に向け貯金(資金調達)を開始し始めたところである。
【雰囲気】
さっぱりした性格で効率的にテキパキすることが好き。手先が器用で物覚えもよく、教えてもらうとすぐに何でもできた。人と話すことが好きで面倒見がよく、人に教えて感謝されることに喜びを感じている。
【資産】
賃貸マンション。夫の給料は全国平均よりも少ない。子供は小学5年。独身時代の貯金は残っているが、開業するために必要な資金には足りない。銀行への借入も相談したが、全額の借入は難しいとの回答を得た。
②価値
家事全般が得意
学生時代に家事教室(コンサルタント)として人に教えた経験がある
保育士の資格を持っている
ものごとをテキパキと進めることができる
面倒見が良い
子供が好き
人と話をすることが好き
自分がしたいことに家族が賛成してくれている
③希少性
学生時代に家事教室(コンサルタント)として人に教えた経験がある
ものごとをテキパキと効率よく進めることができる
自分のしたいことに家族が賛成してくれている
④模倣困難性
家事テクスキルを持った保育士
家事テクを教えた経験があり、それを仕事にすることに賛成してくれる家族
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